毎月、たくさんの数の出張経費の精算書、飲食のレシートを見ます。仕事ですから…。
クライアントさんは100%外資系企業で、本国では大きくても、日本国内では規模が小さいところばかりですので、経理専担はいません。そのため、会社内には精算や小払いのための現金(小口現金、Petty cash)を持たないようにしてもらっています。これを持つと、現金が動く都度帳簿に記載しなければならないし、現金の実在性を確認(=実査)しなければならないので面倒なのです。
業務でかかった経費(旅費交通費・飲食費など)は、まずは個人が立替払いし、それを、ひと月に一度、前月分の経費精算をするというパターンの会社が多いのではないでしょうか。
出張が多い人は、結構な立替金額となります。それを個人のクレジットカードで払っていると、結構なポイントが貯まっているのだろうなぁ、と思いながら見ています。
経費精算の書類を見ていると、自分では経験しなくとも、座って一人ウン万円の銀座の高級クラブの請求額や店名、いま多くの人が使っている航空券やホテルの予約サイトなど、いろんなことがわかります。
こうした経験をもとに、出張族のポイントとマイレージ、個人課税と留意点、使うべきホテル・航空券の予約サイトとポイントサイトについて記します。
<目次>
- 1.出張族は、クレジットカード経費精算でポイント蓄積
- 2.ポイント付与はカード会社の囲い込み戦略
- 3.クレジットポイントにかかる課税問題
- 4.よく使われているホテル・航空券の予約サイト
- 5.ポイントサイトとは?
- 6.まとめ
1.出張族は、クレジットカード経費精算でポイント蓄積
業務上の出張では、立替払いで新幹線切符を購入しホテルの宿泊費も払い、ひと月に一度、前月分の経費精算をするというパターンの会社が多いのではないでしょうか。
個人の経費立替時にクレジットカードで支払えば、カードの引落時期が通常1~2か月後であることから、会社の経費精算でお金が返還されるタイミングと合うため、個人の資金繰りに影響しないので便利です。
また、クレジットカードの利用で、平均0.5~1%程度のクレジットカードポイントがカード会社から付与されます。クレジットカードポイントは、商品やギフト券、電子マネーや航空マイレージ等に交換することができ、ちょっとした出張の余禄といえます。
2.ポイント付与はカード会社の囲い込み戦略
最近は、「公共料金の支払いを新規で当社のカードに切り替えると〇〇ポイント贈呈!」といったクレジットカード会社の広告を多く目にします。
クレジット会社の収益の源は、クレジットカードを代金回収に使っている会社から受け取る手数料です。
どこのカード会社のカードで決済するかは、支払う人の選択に委ねられますので、カード会社は魅力的なポイントを提示して利用者の囲い込みを図ります。
クレジットポイントは、自社のカードで決済(=収益増進に貢献)してくれたことに対する会社から個人へのお礼です。
3.クレジットポイントにかかる課税問題
ポイント取得は、カード会社からのプレゼントですので、会社から個人への贈与となります。課税時期はポイントを商品や現金等に交換した時点(=有効期限がある場合、有効期限がなければポイントが付与された時)で、一時所得とされます。
一時所得は、50万円の特別控除があります。さらに総所得金額に合算時には1/2にされます。サラリーマンで給与を1か所からだけもらっている場合(=大半の方がこれに該当するはずです)で、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下である人等、一定の場合には確定申告をしなくてもよいことになっています。
そのため、クレジットポイントが90万円相当以内(私的利用分も含みます)であれば、他の所得がなければ、確定申告しなくとも構わないということになります。
これを超えるくらい出張が多くてポイントが貯まってしまった方は、確定申告が必要です。忘れずに申告・納税してください。
申告は、国のe-Taxソフトが便利です。
4.よく使われているホテル・航空券の予約サイト
私自身出張はないのでこうした予約サイトは使っていませんが、 お客さんが使っているサイトで多いのは、エクスペディアと楽天トラベルです。多くの方が使っているということは、それだけ使い勝手が良いということなのでしょうね。
これをポイントサイト経由で予約すればどうなるかを調べたのが下記です。
ポイントサイト名 | エクスペディア | 楽天トラベル |
ECナビ | 6.3% |
1.2% |
6% |
2% | |
ハピタス | 5% |
2% |
(2018年10月26日調べ)
使わない手はありません。
5.ポイントサイトとは?
(1)ポイントサイトの役割
ポイントサイトの役割は、ポイント付与を餌に、顧客を売りたい販売主(広告主)のサイトに誘導することです。(集客です)
そして、ポイントサイト会社はマーケティングの手伝いもします。
集客した顧客のデータをから、どんな属性(男女、年齢、職業、都道府県など)の人たちが広告主のサイトに訪れ、どれくらいの割合が最終販売までこぎつけたのか等の情報を提供することで、マーケティングに役立ててもらいます。
牛丼の吉野家で「Tポイントカードお持ちですか? 」とか、コンビニのLAWSONで「ポイントカードお持ちですか? 」と聞かれますよね。昔はレジで会計の際に、ワンステップ外見から判断して、「20代男」とか入力していたのが、ポイントカードを読み込むことで正確な情報を得ることができるようになっています。通販での買い物などでもポイントサイトに登録された個人情報(属性=男女、年齢、職業、都道府県など)をポイントサイトの広告主に提供しています。(マーケティング情報の提供です!!)
ポイントサイトの利用者に付与されるポイントは、広告主の広告宣伝費としてポイントサイトに支払われる報酬の一部が、ポイントサイト利用者への還元として支払われるものです。
買い物の場がリアルからがネット通販利用に移行している現代、いかに自社のサイトに誘導するかがキーとなっています。テレビコマーシャルを打つよりも、(ポイントによる広告宣伝費の還元という)お金を使っても自社のサイトに誘導する方が、効果的な宣伝費の使い方なのです。
そのため、広告主としては、歴史があって利用者の多いポイントサイトを活用した方がよいので、必然的に、そのポイントサイトには有利なポイントが提供されることとなります。
(2)ポイントサイトに登録!
最初に登録すべきポイントサイトとしては、私が個人的に使い勝手が良いと思っているハピタスをお勧めします。
登録は簡単ですし、登録料は無料です。
登録に必要なものは、メールアドレスです。
性別・職業・都道府県・生年月日・携帯電話番号(=登録時の認証のため)を入力し → メール送信 → 電話番号認証 と進めば登録が完了します。
※上記バナーから登録すれば、登録時にハピタスから30ptのプレゼントがあります。
登録手続きは簡単に無料で行えます。
(3)普段の買い物でも使う。(ショッピングでポイントをためる)
いつもの買い物の際に、いままでは直接販売サイトに行っていたお気に入りのクリックの段階に、ひと手間「ポイントサイト経由で買い物」の作業を入れます。
ポイントサイトにログインし、一番上にある「広告名やキーワードを入力してください」という検索窓に、販売サイト名を入れます。そしてサイトが表示されたら、その広告の「Pポイントをためる」というボタンをクリックすれば、いつもの買い物のサイトが立ち上がります。あとは普段通りに買い物をするだけです。
6.まとめ
出張族の方は、クレジットカード決済で経費の立替をし、クレジットポイントをためましょう。その際、航空券、新幹線チケット、ホテル宿泊の予約もポイントサイト経由で行うと、ポイントサイトのポイントと二重取りできます。
この出張の余禄は、仕事にかかわって取得したものですが、労働の対価ではないので、給与や賞与とはなりません。子の余禄も課税対象ですが、稼ぎすぎなければ申告の心配もありません。(詳しくは「3.クレジットポイントにかかる課税問題」をご参照ください)
でも、この余禄は、こっそりと楽しんでください。